揺蕩う(たゆたう) ゆらゆらと揺れ動いて定まらない 気持ちが定まらずためらう
認知症という病がもたらす不安定さを抱えて、夫は生活しています。
その不安定さは波となり、かたわらにいる私にも押し寄せます。
不安定が不安定をよびおこし、さらに二人で不安定になる。
たゆたう感情と現実に溺れそうになることもありました。いや、溺れていたかもしれません。もがき、あえぐのに疲れたから、いっそ沈んでしまいたいと思うこともありました。けれど、溺れながら、もがきながら、なんとかここまでやってこられました。
その「なんとかやってこられた」を記録に残したくて、このブログをはじめました。
たゆたいながらも、ここまでこられたし、これからもやっていこう、これが私の姿勢です。
病による不安定さに寄り添う家族が溺れてしまわないよう、このブログが浮き輪として波のまにまに漂っていられたらなと思っています。
いっことトムが織りなす布
サブタイトルは、中島みゆきさんの曲『糸』の歌詞からです。
縦の糸はあなた 横の糸は私 織りなす布は いつか誰かの 傷をかばうかもしれない
夫との生活が一番つらかった時期「私と夫の経験がいつか誰かの傷をかばう」と自分で自分を励ますことで、のりこえてきました。
このブログはまさに「夫と私がたゆたいながら織りなした布」です。
認知症の家族を介護されている人、また介護されている人と関わっておられる人の助けになりたい、そんな気持ちでこのブログをはじめました。
ここまで読んでお気づきの人もおられるかもしれませんが、「たゆたいながら」は、宮本浩次さんの『冬の花』の歌詞からきています。
時のまにまに たゆたいながら
揺蕩うという言葉を知ったのは、この歌詞がきっかけでした。
語音がすごく好きで、いつか自分の言葉として使ってみたいなと思っていたので、念願がかないました。