精神障がい者保健福祉手帳

精神障がい者保健福祉手帳(以下、精神障がい者手帳)は、ほかの福祉制度と比べて対象になるサービスが多岐にわたります。

手元に堺市発行の「精神障がい者保健福祉手帳のご案内」という冊子があり、そこに受けられるサービスが列挙されているのですが、ここで書いてもキリがないほどあるので、それらは割愛し、かわりに受けられるサービスがざっくり書かれた厚生労働省のウェブページを張っておきます。

ここでは私が考える、精神障がい者手帳で受けれられサービスの中で、見逃せないものをピックアップします。

※以下には、身体障がい者手帳および療育手帳、または障がい者手帳以外の条件でも受けられるサービスが含まれていますが、ここでは精神障がい者手帳所持者に向けて書いており、他の条件は考慮しておりません。

申請手続きについて

申請手続きについて、わが家では自立支援医療と同時申請したので、自立支援医療のページを参照ください。

受けられるサービス

上にあるものほど私が重視しているものです。

重度障がい者医療費助成制度の利用

重度障がい者医療費助成制度について詳しくは、こちらのページを参照ください。

わが家では、重度障がい者医療でずいぶん医療費の負担が軽減されているのですが、この制度を申請するにはいくつか要件があり、精神障がい者手帳1級の所持がその1つになります。たとえ、重度障がい者医療の対象になるような状態の人であっても、手帳を持っていなければ申請することができません。

私がこれを知ったとき「何段階、手順を踏ませるねん」と思いました(実際は、2段階なんですけど)。

精神障がい者手帳を申請して、受け取った後、等級が1級であれば、重度障がい者医療費助成制度の申請ができる。

「精神障がい者手帳が1級だった時点で、重度障がい者医療証も送ってきてくれたらいいやん」と思いました。きっと、手続きする窓口が違うことと、審査基準が違うことと、日本の福祉が申請主義であることで、2段階になっているのだと思いますが。この先マイナンバーが浸透して、市が市民の状況をより詳しく把握できるようになったら、1段階で済むようになるのでしょうか。というか、そのためのマイナンバーであってほしいです。

ということで、重度障がい者医療はとても助かる制度なのですが、申請には精神障がい者手帳1級が必要になります。


税制上の優遇措置

住民税課税判定への影響

精神障がい者手帳を持っていると、所得税と住民税で障がい者控除が受けれれますが、それとは別に、住民税の課税判定にも影響します。

住民税には、課税・非課税を判定する計算する式と、課税になった場合の課税額を計算する式があります。

この項では、障がい者控除がおよぼす住民税の課税・非課税判定への影響を述べています。

計算式はややこしいので、一例をあげます。

夫 雑所得(年金)あり、障がい者手帳所持
妻 所得なし
2人世帯
堺市在住

夫の障がい者控除がない場合 夫の合計所得が101万以下まで住民税が課税されません。
夫の障がい者控除がある場合 夫の合計所得が135万円以下まで住民税が課税されません。

(2)市民税・府民税の均等割や所得割を課税されない人

上記からわかるように、障がい者控除がある場合とない場合では、課税世帯となる所得額に34万円の差があります。
ここで重要なのは、住民税非課税世帯になると受けられる優遇措置が増えることです。

以下は一例です。

  • 健康保険料や介護保険料が軽減されます。
  • 医療保険や介護保険の自己負担限度額が軽減されます。
  • 高額療養費制度の自己負担限度額が軽減されます。
  • 非課税世帯に限った給付事業があります(紙おむつ給付事業 障がい者手帳の申請に必要な診断書料の公費負担など)。
  • インフルエンザや肺炎球菌等のワクチン接種費用を自治体で負担してもらえることがあります。
  • その時の社会情勢によっては、非課税世帯に限った給付金があります。

私は常々、微妙なラインで、市民税が課税された世帯と課税されなかった世帯で、優遇措置による貧富の逆転現象が起こっているのではないかと考えています。

私の思いはなんにせよ、障がい者控除を利用さることで住民税非課税世帯になれれば、受けられる優遇措置が増えるので、確定申告や年末調整の際は忘れずに控除を受けてください。


自動車税および軽自動車税の減免

障がい者手帳所持者に対する自動車税および軽自動車税の減免は、どこの自治体でも行われていますが、自治体によって条件が多少違います。

大阪府では、自動車税の減免を受けるためには、精神障がい者手帳1級と自立支援医療受給者証の提示が必要です。

また、堺市でも同様に、軽自動車税の減免を受けるためには、精神障がい者手帳1級と自立支援医療受給者証の提示が必要です。

精神障がい者手帳だけで減免が受けられる自治体もあるようです。

自立支援医療についてはこちら


所得税および住民税の障がい者控除

精神障がい者手帳を所持していると所得税と住民税で、障がい者控除が受けられます。先に述べた住民税課税判定への影響との違いは、こちらは、障がい者控除を受けることで納付する税額が減額されることです。

精神障がい者手帳の等級が1級だと特別障がい者、2級と3級だと障がい者になり、特別障がい者の方が控除される金額が多くなります。

※障がい者控除は、障がい者手帳を持っていなくても利用できることがあります。例えば、要介護認定を受けていると、「障がい者控除対象者認定書」の交付を受けることができる場合があります。

※船橋市のウェブサイトに「障がい者控除対象者認定書」の交付について、わかりやすく書かれていたので、リンクを張っておきます。自治体によって条件や名称に違いはあるでしょうが、同じような制度があるはずなので参考にしてください。

相続税や贈与税にも障がい者控除がありますが、夫が利用する機会は今のところないので省きます。


公的施設の駐車場利用料の割引

外で過ごすのが気持ちい季節には、夫と一緒に大きな公園に行くことがあるので、そのときに駐車場利用料の割引制度を利用します。数百円のことですが、割引がないと、たぶん遠くの公園には行かないので、お出かけのきっかけにもなる、ありがたい制度です。


各種施設の割引

わが家が利用するのは、もっぱら府営の植物園の入場料割引です。
夫の運動機能に障がいがなかったころは、月に2,3回、ひまな時期は5回ほど行っていました。
今でも、お天気のいい日は、お弁当を食べに行きます。緑に囲まれてお弁当を食べるとよい気分転換になるのか、夫はごきげんさんになります。