人間らしく生きる

ひとコマ・詩


 
 人間らしく生きようとすれば
 傷つかない生き方はできない

 尊厳を傷つけられる場面

 人として生きていれば
 それは、あってあたりまえ

 私は
 夫に
 最後の瞬間まで
 人として生きていてほしい

 私は
 夫が傷つくことを
 過度に恐れない

 大切なのは
 傷ついても
 なお
 『生きていこう』と思えること

 そう思ってもらいたいから
 支え
 寄り添う

これが私のスタンスです。

認知症になったからという理由で、傷つけてはいけない存在になるわけでありません。

高齢者だからという理由で、尊厳に配慮しなければならないわけでもありません。

人は皆、等しく、尊厳を傷つけないよう配慮されるべき存在です。

それでも、人の社会で生きていれば、人に傷つけられること、人を傷つけることがある。

尊厳を蔑ろにされることもあるし、蔑ろにしてしまうこともある。

それが人として、社会で生きていくということです。

私は、夫に、死ぬまで、人と接しながら生きていってほしいと思っています。

人間らしく、さまざまな感情を抱き、さまざまな感情に触れながら、生きていってほしいです。