自分を守る術

ひとコマ・詩



 『起きてこなければいいのに』
  夫の寝顔を見ながら、そう思って泣いた

  ひとりで家を出て行こうとする夫に
 『ひとりで生きていけないくせに
  ひとりで出て行って
  どうやって生きていくんだ
  もう追いかける気力もない
  心配もしたくない
  どこかに行ってしまえ
  消えてしまえ
  死んでしまえ』
  そう思い、でも心配で
  泣きながら追いかけた

  私は、自分と夫を守るために
 『死んでしまえ』と思った自分をゆるした

  それが私の強さ


恕す(ゆるす)

思いやりの心で、相手の罪や過ちをゆるすこと。


この詩のもとになったエッセイ


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