寄り添う

ひとコマ・詩

自分を守る術

『起きてこなければいいのに』   夫の寝顔を見ながら、そう思って泣いた   ひとりで家を出て行こうとする夫に  『ひとりで生きていけないくせに   ひとりで出て行って   どうやって生きていくんだ   もう追いかける気力もない   心配もしたくない   どこかに行ってしまえ   消えてしまえ   死...
メッセージ

認知症をわずらう家族に寄り添うことは、生易しいことではない

自分自身に寄り添えない状態の人が、他の人に寄り添うことはできません。 そして、寄り添う対象が自分であっても他人であっても、人に寄り添うことは、心がけ次第でやすやすとできることでもありません。 『認知症の人に寄り添う』それがどういうであるかは、人それぞれだと思います。 私にとって認知症の夫に寄り添うこ...
エッセイ

言わないでほしい言葉

『認知症になった本人が一番つらい』 そう言われた時、認知症の人の暮らしを支えている家族は、自分のつらさを、どう処理すればいいのでしょうか。 本人がつらい。それは、確かにそうです。 今までできていたことが、できなくなっていき、自分の中から何かが失われていく恐怖が、常につきまとっているのですから。 では...
エッセイ

家族介護 ケンカと葛藤

私は、父や母を在宅で介護するつもりはない。 母はパーキンソン病で、今は父と2人で暮らしている。 でもいつか父の介助だけでは、母が自宅で暮らせなくなる日がくるだろう。 そうなっても私は、実家に足しげく通って母の介護の手伝いをするつもりはない。 「お母さんが、お父さんのサポートだけでは家で生活できなくな...
日記

私は、私に私のことを伝え、それを聴き、自分自身に寄り添う

また夫が、家にいるのに「帰る」と言いだした。 私は大きくため息を吐く。 これは自然に出たため息ではなく、わざと吐き出したため息だ。 ため息で、私は、自分の機嫌の悪さを自分に伝えている。 夫への当てつけもあるが、それよりも、自分で自分の気持ちをはっきり意識するために。 認知症の症状のひとつ、帰宅願望に...