認知症介護に使えるかも!障がい福祉サービス

障がい福祉サービスは、ケアマネージャーでも知らない人が多い制度だそうです。

なので、このページを読んで、利用できそうだっと思ったり、いずれ利用できそうな状況になったときは、こちらからケアマネージャーに提案してみましょう。

どのようなサービスか

わが家の場合は、介護保険でたりないぶんを補ってくれるサービスです。

障がい福祉サービスだけを利用している人や、先に障がい福祉サービスを利用していて介護保険の適用になったので併用することになった人にとっては、私の回答だと不正解でしょうが、介護保険を利用していて、後から障がい福祉サービスも利用するようになった、わが家の場合だと、そのような認識になります。

厚生労働省の「障害福祉サービスについて」のページを張りますが、これを読んでわかることは、ちょっとやそっと調べたくらいで理解できるような制度ではないということです。

障がい福祉サービスの対象者

身体障がい者、知的障がい者、精神障がい者、指定難病の人です。

夫は、精神障がい者(認知症)に該当します。

全国社会福祉協議会作成 障害福祉サービスの利用について ページ2(3)対象範囲

介護保険との併用(堺市の場合)

障がい福祉サービスの対象範囲は広いですが、介護保険との兼ね合いで、障がい福祉サービスの対象者であっても、利用できないことがあります。それは、同じようなサービスが、障がい福祉サービスと介護保険の両方で利用できる場合、介護保険を優先して利用しなければならないという、原則があるからです。

堺市の障がい福祉サービス(居宅介護・重度訪問介護)と介護保険サービスの併用に関するガイドラインを入手することができたので掲載します。

1.区において適当と認める支給量が、当該障害福祉サービスに相当する介護保険サービスに係る保険給付又は地域支援事業の居宅介護サービス費等区分支給限度基準額の制約から、介護保険のケアプラン上において介護保険サービスのみによって確保することができないものと認めらる場合であること。

2.介護保険のケアマネージャーからサービス利用計画が提出されるものであること。

1.を要約すると、介護保険だけではその人に必要な支援が足りないと区が認めた場合。併用というよりは、介護保険に上乗せして利用する、という感じですね。

2.を読むと、ケアマネージャーに動いてもらう必要があることがわかります。しかし、ケアマネージャーでもこの制度を知らない人がいるので、もしそうであれば、ケアマネージャーに勉強していただかなければなりません。

(居宅介護・重度訪問介護)とカッコでくくっていますが、これは18ある障がい福祉サービス種別のうちの2種で、介護保険の訪問介護に相当するサービスです。入手したガイドラインでは、この2種のサービスでの、障がい福祉サービスと介護保険の併用についてしか、具体的にわかりませんでした。

なら、これ以外の16種のサービスと介護保険との併用はどうなるのかと問われると、区が必要と認めれば利用できるようです。

いろいろ調べり聞いたりした結果、現状の私の答えとしては、障がい福祉サービスと介護保険のサービスを併用できるかどうかは、ケアマネージャーの力量によるところが大きいのではないか、ということです。

利用者負担

利用者負担は1割です。

所得に応じた利用者負担上限額が設定されているので、それを超えて負担することはありません。

夫のケース

申請時の状況

先ほども書きましたが、障がい福祉サービスを申請したとき、夫はすでに介護保険を利用していました。

初めて障がい福祉サービスを申請しようとしたとき、夫の介護保険の点数に若干余裕があり、これだと申請できないと役所から言われたと、ケアマネージャーから連絡がありました。

その後、夫が硬膜下血腫の手術をして私の介護量が増えたとき、他のサービスは減らしたくないけれど、訪問看護の回数を増やしたいということで、どうやりくりしても介護保険の点数が足りなくなり、それならば申請できるということで申請しました。

参考までに、申請時、夫は、要介護5、精神障がい者保健福祉手帳1級でした。

ただ、申請要件に、要介護の区分や、障がい者手帳の要否があるのかどうかは、私が調べた限りではわかりませんでした。

認定調査

申請に際し、介護保険と同様、自宅にて認定調査があります。

調査内容は介護保険より多岐にわたり、聞き取りに1時間半ほど要しました。

介護保険は、同じ介護区分なら基本、誰でも同じサービスを利用できますが、障がい福祉サービスは、その人に必要なサービス種別に対して支給決定され、支給決定されなかったサービスは利用できません。なので、その人に必要なサービスであるかどうかを支援区分と合わせて調査しているのでしょう。

ちなみに夫は現在、サービス種別は居宅介護のみで、支援区分6です。

支援区分によって使える支援量(時間)がかわってきます。

サービスの内容

障がい福祉サービスには18のサービス種別があり、その中から利用者の障がいや生活環境に応じて必要なサービスを組み合わせて利用します。

うちでは現在、居宅介護で週1回ヘルパーさんに夕食作り(家事援助)と食事介助(身体介護)にきてもらっています。

ケアマネージャーと障害福祉

うちは、夫のケアマネージャーの提案で、障がい福祉サービスを利用することになったのですが、検討段階のとき、夫のケアマネージャーとは別事業所の知り合いのケアマネージャーに「夫のケアマネから、このようなサービスを提案された」というような話をしたら、「さすが○○さんですね。その制度を知っているケアマネ少ないですよ」と言われました(そのケアマネと夫のケアマネは知り合いです)。

つまり、ケアマネージャーになるために必須の知識ではないとうことです。

なので、こちらから障がい福祉サービスを利用したい旨を伝えても、ケアマネージャーの知識不足で役所とのやり取りがうまくいかず利用できなかったり、ケアマネージャーによっては、知らない知識を入れる(勉強する)ことを嫌い、取り合ってくれないこともあるようです。

障がい福祉サービスは、ケアマネージャーの仕事範囲外の制度なのでしょうか?

でも、堺市ではケアマネージャーが作成したサービス利用計画が必要です。

高齢者介護にとって、障がい福祉サービスは、どのような位置づけなのでしょうか?

わかりません。

わかることは、担当ケアマネージャーによって介護の質に差がつくということです。ケアマネージャーの熱量と力量で、在宅介護の質がかわります。同様に、介護者家族の熱量と力量でも、在宅介護の質はかわります。

在宅介護を続けていくには、使えるサービスを使って、介護者の負担を軽減することが大切です。認知症介護で利用できるサービスは介護保険だけではありません。しっかり情報収集していきましょう。


それにしても、いろいろな市町村のウェブサイトを閲覧して、いつ作成されたのかわからない厚生労働省のPDF資料も読んで思ったのが、ルールを作ったのなら、その情報をウェブサイトで開示してほしい!です。

役所に問い合わせて、初めて詳細がわかるのでは、手間がかかりますし、みんながみんな、役所が開いている時間に動けるわけではありません。