第一部

エッセイ

私を泣かせてくれた デイサービスの職員さん

泣きながら、夫をデイサービスに連れて行った日のことです。今は、デイサービスの職員さんに、夫の送迎をお願いしていますが、以前は、私が夫を送っていました。朝、夫を起こし、身支度をさせて、ご飯を食べる。それをデイサービスの迎えの時間までに終わらせておかないといけない。もし、時間に間に合わなかったら、迎えに...
エッセイ

認知症病棟に入院させようと思った話

私は、かつて一度だけ、夫を認知症病棟に入院させようと、決断しかけたことがあります。夫がこけて、頭からアスファルトの地面に突っ込み、額を数針だったか十数針か縫うケガをしたときです。夫のかかりつけ医に、ケガしたときの状況を「鬼おろしのようになった」と言ったら、うまいこと言うねとほめらました。きれいな包丁...
福祉制度

専門職の本分

ケアマネージャーや医師、役所の人が、自分や自分の家族が使える福祉制度を教えてくれない、というボヤキをわりとよく聞きます。ボヤキたくなる気持ちもわかりますが、ケアマネージャーにしろ医師にしろ、専門外の福祉制度の紹介は、本分ではありません。日本には、さまざまな福祉制度がありますが、どれも、ちょっとやそっ...
福祉制度

医療ソーシャルワーカー(MSW)

医療ソーシャルワーカー(MSW)は、医療係の福祉制度について詳しい知る専門職です。詳しい仕事内容は、多岐にわたるので省略します。わが家では、このブログで紹介している8つの福祉制度の内、4つを医療ソーシャルワーカーさんに教えてもらいました。医療ソーシャルワーカーが働いているのは、主に病院やクリニックで...
メッセージ

認知症の症状は、はたして誰が『一番』つらいのか

よく、目や耳にする言葉『一番つらいのは、認知症になった本人』この言葉は、誰に、どう、向かっていくのか、よく考えて発言しないと、認知症の人の暮らしを支えている『家族のつらさ』が、置き去りになってしまいます。認知症の人の暮らしを支えている家族が『本人が一番つらいのだから』と相手を思いやることで、この瞬間...
エッセイ

夫にとって認知症とは、そしてボケるとは

『認知症の人には、自分が認知症だという自覚は、あるのでしょうか』夫が認知症初期のころの話です。夫は、自分の頭の動きがおかしくなっている自覚はありましたが、その原因が認知症であるということは、覚えていませんでした。たとえば、私が夫に「ボケてるね」と聞くと、「そうだね」と返ってきますが、「それは、認知症...
暮らしのなかの介護

不動産売却と意思能力

夫は、認知症の初期(2018年)に、当時住んでいた分譲マンションを売却しています。認知症が進むと、その人が行った法律行為は無効となり、契約が成立しなくなります。なので、認知症の人が住んでいた持ち家を、施設入所を機に売却しようとしたら、売買契約ができないので、売れなかった、というのはたまに聞く話です。...
暮らしのなかの介護

定期預金の解約と成年後見人

タイトルからすると、定期預金の解約のために、夫に成年後見人をつけたように思われたかもしれませんが、実際は、将来を見据えて、夫に成年後見人をつけたくないから、定期預金をすべて解約した、というお話です。今のような低金利だと、定期で預けていても大したことないので、そんなに悩むことはないかもしれませんが、や...
暮らしのなかの介護

銀行口座 しておきたいこと

夫が認知症と診断される前にやっておいた、お金関係のことを紹介します。お金のことは、相手に信用されて任せてもらえないと、ほとんどなにもできませんが、任せてもらえたら、早めにやっておきたいですね。普通預金の解約と集約についてはこちら定期預金の解約についてはこちら代理人カード(家族カード)認知症の家族が、...
暮らしのなかの介護

普通預金の解約と集約

夫が認知症と診断される1年ほど前のことです。自分の記憶力や判断力が低下してきていることに不安を感じていた夫は、今自分が持っているお金を、今の自分でも簡単に把握できるようにしたいようでした。そこで私は、使っていない口座を解約して、普段使っている口座にお金を集約することを夫にすすめました。当時、私と夫は...