アンチテーゼ

メッセージ

認知症の症状は、はたして誰が『一番』つらいのか

よく、目や耳にする言葉『一番つらいのは、認知症になった本人』 この言葉は、誰に、どう、向かっていくのか、よく考えて発言しないと、認知症の人の暮らしを支えている『家族のつらさ』が、置き去りになってしまいます。 認知症の人の暮らしを支えている家族が『本人が一番つらいのだから』と相手を思いやることで、この...
エッセイ

認知症の人の世界は、どんな世界なのだろう

認知症の人は、その人の生い立ちや認知症の影響によって生まれる、その人オリジナルの世界をもっています。 そして、当然ながら、認知症の人は、現実の世界を生きていて、生きてきた、人ですから、そのオリジナル世界は、現実世界とリンクしています。 現実の世界には、心地よい感情と不快な感情があり、もし、不快な感情...
エッセイ

認知症の人の世界があったとしても、夫は、私と同じ世界でも生きている

家にいるのに「家に帰る」と言って、出て行こうとする家族に、「じゃあ一緒に帰ろう」と言って、一緒に出かけ、頃合いを見計らって、家に連れて帰る。 認知症の人の帰宅願望に対する、対応のひとつであり、夫の帰宅願望に対する、私の対応でもありました。 夫は、帰宅願望とともに、外出欲も強く、夫が「出かける」と言い...
エッセイ

認知症の人につくウソ 誰のためにもなっていないウソかもしれない

認知症の人への対応が書かれた本やサイトを読んでいると、ウソをついて、落ち着かせる対処法が書かれています。 さっきご飯を食べたのに「ご飯は、まだか」と言われたら、「今、用意しているところ」と言う。 家にいるのに「帰る」と言われたら、「もうすぐ迎えが来ますよ」と言う。 一緒に住んでいない、すでに独立した...
メッセージ

私には、感情も 起きた出来事も 残る

『認知症の症状によって、起きた出来事は、すぐに忘れてしまったとしても、そのとき感じた感情は、長く残っている』 この言葉は本来、『認知症の人も、すべてを忘れるわけではない』ということが、いいたかったのだと思います。 ですが、解釈の仕方によっては、『感情は残るのだから、認知症の人に嫌な思いや不快な思いを...
メッセージ

傷つかない生き方はない

今でこそ回数は減りましたが、以前はよく、夫とケンカをしていました。 認知症の人に言ってはいけないとされている言葉も、ずいぶんたくさん言いました。 そもそもですが、なぜ認知症の人に言ってはいけない言葉があるのでしょうか。 それは、相手の自尊心を傷つけるからです。 ですが、私たちも 家族の言葉で、ずいぶ...
メッセージ

濡れ衣を着せられても、怒ってはいけないの?

例えば、認知症による『物盗られ妄想』によって、家族から、あなたが濡れ衣を着せられたら、どうしますか? 物盗られ妄想 認知症で起きやすい被害妄想の一つで、大事な物を盗られたと訴える症状です。多くは財布や現金、貯金通帳や宝石類など財産に関連するものを盗まれたと思い込んでしまいます。 身近な人が疑われやす...
メッセージ

家族の感情をおきざりにしない

認知症の人への接し方が書かれた本では、なるべく認知症の人に不快な思いをさせない対応をするよう、介護者に求めています。 では、介護する家族の不快は、誰がケアしてくれるのでしょうか。 家族のグチを聞いてくれる人がいればいいですが、そのような人がいなければ、家族の不快は誰もケアしてくれないことになります。...