わが家の座敷わらしちゃん

ひとコマ・詩

 うちには、座敷わらしが居ます。

 私には、見えませんが、
 夫には、見えます。
 うわさによると、
 純粋で澄んだ心がないと、
 座敷わらしには、会えないそうです。

 おしゃべりしているときの
 夫の口ぶりからさっするに、
 うちの座敷わらしちゃんの見た目年齢は、
 砂かけばばあ や 子泣きじじい、
 若くても、ねずみ小僧ぐらいで、
 どうやら、童子では、なさそうです。

 そして、うちに座敷は、ありません。

 わざわざ変化へんげして、
 座敷のないわが家に居てくれるなんて、
 座敷わらしちゃんは、
 夫のことが、
 よっぽど好きなのでしょう。