日記 最高にキュートなランゲージ ごはんを食べさせていたら 「言っただろ」と、なぜか語気強めの夫 私にはなにも聞こえていなかったので 「なに言った」のと、聞き返したら 力強く大きな口を開け返された (あーん) (笑) 「それは言ったことにならん」 このやり取りがおもしろかったので (あーん)の瞬間を写真に収めようと... 2023.10.15 日記
日記 抱きごたえのある背中 夫の背中 けさ いつもより重い ごきげんななめの体を抱えて なんとかベッドのふちに座らせたら 体をうしろに倒してくる夫 このままだと 夫の頭がベッド柵にひっかかる なによりも もういちど起こすのが めんどくさい なんてときには バックハグ 抱きごたえのある 夫の背中 しば... 2023.09.27 日記
日記 夫が教えてくれる 夫の肩 「ぼく わからないんだ」 あさ 夫が つぶやいた 「なにが わからないの」 私が たずねる 「わからない」 ベッドのふちに 並んで 座った 夫は 肩を 落としているようだった こんなとき 私は 夫の肩を抱けてよかったと思う 夫は、認知症になり始めたころから、『わか... 2023.09.27 日記
日記 わたし あたまが ぱーだから 「わたし あたまが ぱーだから」 夫が突然 そんなことを言った 私は 笑いながらも それ以上におどろいた 夫からそのようなセリフを 聞いたことがなかったし 夫が笑いをとりにいくときの スタイルでもない 夫が認知症対応型デイサービスに 行き始めたころ 「あんな人たちと一緒にいたくな... 2023.09.25 日記
日記 テーブルの上にきちんと揃えられた汚い靴下 食卓テーブルの上に 私が脱ぎ散らかした靴下が2枚 伸ばして 揃え 二つに折られて 置かれている 私と夫しかいない わが家 こんな丁寧な仕事をするのは 夫しかいない このきちんと畳まれた靴下を見ていると なんだか きれいな靴下に、、、 いや、見えてこない これは 私が一日履き さ... 2023.08.21 日記
日記 スイカのタネ「プッ」 その昔、夫は 「スイカのタネは、食べても大丈夫」 だと言って、タネごとスイカを食べていた たぶん、タネを出すのも、取るのも めんどくさかったのだろう なのに今、夫がスイカのタネを 「プッ」と吹き飛ばしている 固くておいしくないので タネを異物として認識したようだ 食べても大... 2023.08.10 日記
日記 お茶目さん 左手は夫、右手は車イスをにぎり ショッピングセンターを散歩中 夫が「疲れた」とつぶやいたので 車イスに座らせようとした矢先 へたり込むように腰を屈めた夫 「チョットマッテ」 あわてる私 おしりが地面に着くと 持ち上げるのがやっかいなのだ と、次の瞬間 「ウソッ」 と言って、すっ... 2023.07.05 日記
日記 手のかかる子ほど 手をとり 向かい合わせで歩く 夫と私 今日は 夫の足どりがいい にやっと笑った夫が 掴んだ私の腕を 強く揺さぶる 「アッ」 揺れた拍子に 二人の手が離れ バランスを崩した夫の顔が 驚きにかわる とっさに夫を掴み 抱きとめる 「もー ふざけてるから こういうことに なるんよ!」 ... 2023.07.04 日記
日記 私は、私に私のことを伝え、それを聴き、自分自身に寄り添う また夫が、家にいるのに「帰る」と言いだした。 私は大きくため息を吐く。 これは自然に出たため息ではなく、わざと吐き出したため息だ。 ため息で、私は、自分の機嫌の悪さを自分に伝えている。 夫への当てつけもあるが、それよりも、自分で自分の気持ちをはっきり意識するために。 認知症の症状のひとつ、帰宅願望に... 2023.04.07 日記
日記 『夫の老い』と『私の若さ』 それぞれに必要な時間 朝、夫が「死にそうなんだから」と言って、着替えを拒んだ。 死にそうだから着替える意味がないのか、死にそうだから着替えられないのか、死にそうだから着替えたくないのか、それは私にはわからない。 死にそうだからなんなのか、夫自信も、よくわかっていないだろう。 いろいろなことが『わからない』。 その感覚に、... 2023.03.30 日記