栄養になる無駄

ひとコマ・詩



 本屋さんをぶらぶらして
 気になった本をぱらぱらめくる

 100円ショップをぶらぶらして
 いるようないらない物を見てまわる

 テレビをつけてスマホをいじり昼寝する

 一見、無駄に思える時間

 その無駄が、私には必要で

 自分のための無駄な時間が

 私の栄養

そんな時間を過ごせるのは、夫がデイサービスに行ってくれるから。

この栄養になる時間は、一般的に休養や気分転換と呼ばれるものかもしれません。

デイサービスは、そんな時間を私にくれるところです。

私は、この一見すると無駄に思える時間で、英気を養っています。

『英気は、養えるときに、養っておく』ことが、在宅介護を続けていくうえで大切だと、考えています。

もちろん、夫がデイサービスに行っている間に、やっておかないといけないことも、やっているし、休憩もしていますが、それだけだと、どこかで、なにかあったとき、在宅介護が立ちいかなくなる、ような気がします。

それに、必要なことばかりやっていると、窮屈で疲れます。

なので、積極的に、必要でないことに時間を消費する。

本当は、ショッピングセンターの本屋さんじゃなくて、ターミナル駅の中にある大きな本屋さんに行きたいし、100円ショップじゃなくて、東急ハンズや船場の手芸屋さんに行きたい。

でも、今の私にとって、ショッピングセンターの本屋さんや100円ショップは、充分すぎるほど潤いを与えてくれる場所です。