エッセイ くすり 信頼できない頼みの綱 認知症による不安や苛立ち、自分では制御できない衝動などを薬で抑える。 『本人も辛いのだから、薬で抑えてあげることは、本人のためにもなる』 本人の同意なく、もしくは、本人の意思がわからないまま、向精神薬などを飲ませることに対して、このような考え方を耳にすることがあります。 『本人のためにもなる』と、も... 2024.04.08 エッセイ
エッセイ 私のパワーと使い道『わが家のある程度の環境』 『わが家のある程度の環境』第一弾は、自宅で介護をする家族のマンパワーとお金について書きましたが、今回は、私のパワーとその使い道についてです。 私は1982年生まれで、2023年現在41歳です。 夫と結婚したのは、私が35歳のとき。 当時、70歳だった夫は、すでに認知症をわずらっていました。 人は、自... 2023.11.04 エッセイ
エッセイ 在宅介護の労働力『わが家のある程度の環境』 ひとりで暮らすことが難しい人を、自宅で暮らせるようにする。 『在宅介護』を成り立たせるためには、ある程度の環境を整える必要があります。 そして、必要な環境は、家庭の状況によって違います。 たとえば、介護に協力的な家族が複数いれば頼もしいですが、わが家の場合、夫の介護をしている家族は、私だけ。ですが、... 2023.10.17 エッセイ
エッセイ 外れなかったリミッター 力で負けても 知能で勝てる 頭を使えば互角に戦える そう思っていた でも本当は違う 夫のリミッターが外れれば 夫のパワーに 私が太刀打ちできるはずがない でも夫はリミッターを外さなかった いつも夫が先にあやまり 私にゆるしを乞うた 私を止めたのは夫であり 私を守ったのも夫だっ... 2023.10.05 エッセイ
エッセイ 暴力の抑止力 私は我を忘れたことがない 夫を殴っているときも 通報されたら逮捕されるだろうと 考えながら殴っていた 夫を蹴っているときも 行き過ぎているとわかっていた 夫と引き離されるかもしれない そんな私が避けたい未来も思い描いた それでも 止まらなかったし 止められなかったし 止めたくな... 2023.10.03 エッセイ
エッセイ 覚悟しつつも願っている 夫が私のことを忘れることがあった 知らない人を見る目で私を見 知らない人と話すように話し 私を知らないと言った そんなことがたまにあった そのことを人に話したら 「配偶者のことは 早い段階で忘れる人が多い」 と言われた それが本当なのかどうかも 疑わしいのだけれど そうであっ... 2023.09.24 エッセイ
エッセイ プライド 今まで強がって生きてきた人間の 涙を見た 今まで守ってきたプライドが バキバキと折れていく 音を聞いた プライドを折ったのは 病であり 妻であり 自分自身 夫は自分で自分を傷つけ 自分のことをさげすんだ いま、夫は、幸せかもしれない。 そうだったとしても、それは、あの痛みを耐えぬ... 2023.09.23 エッセイ
エッセイ 「わからない」とは 2 世の中は、わからないことで溢れかえっています。 そして、わからなくても生活するには支障がないことも、山ほどあります。 私たちは、わからないことを「わからないといけないこと」「わかったほうがいいこと」「わからなくても、自分は困らないこと」「どんなにがんばってもわかるようになれる気がしないこと」「わかり... 2023.07.17 エッセイ
エッセイ 出会いと結婚 私と夫が出会ったとき、私は20代前半、夫は50代後半でした。 私は、夫と出会って数日で、今が自分を変えるチャンスだと悟りました。 今この人についていかなければ、私の人生は生きがいもなく、ただ過ぎていくだけだろう、と。 私は中学1年生の2学期から不登校ぎみになり、3年生のときは、ほとんど学校に行ってい... 2023.07.16 エッセイ
エッセイ 認知症 その周辺と影響症状 認知症について『周辺』という言葉が使われるとき、それはたいてい『周辺症状』について語られる場面です。 認知症の症状は、大きく『中核症状』と『周辺症状』の2つにわけられます。 『中核症状』とは、ものが覚えられなくなる、火や刃物の危険性がわからなくなる、今がいつなのか、ここがどこなのかわからなくなる、段... 2023.06.12 エッセイ