ひとコマ・詩

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わが家の座敷わらしちゃん

うちには、座敷わらしが居ます。  私には、見えませんが、  夫には、見えます。  うわさによると、  純粋で澄んだ心がないと、  座敷わらしには、会えないそうです。  おしゃべりしているときの  夫の口ぶりからさっするに、  うちの座敷わらしちゃんの見た目年齢は、  砂かけばばあ や 子泣きじじい、...
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プライスレス

ふだん、あまり自己主張しない夫が  ショッピングセンターの中にある  サイゼリヤに行く途中  「あれ、食べる」と、声を弾ませた。  その視線の先には、夫が大好きな  ビフカツやビフテキの写真。  夫がこんなにはっきりと  自分の望みを口にするのは、久しぶりだ。  私はうれしくなって、  夫の願いを叶...
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さいごにひとりで買ったのは

さいごにひとりで買ったのは  「いつもの公園に行ってくる」と、  夫がひとりで出かけようとしている。  私は、急ぎでやりたいことがあり、  手を止めたくなかった。  毎日ふたりで行っている公園だし、  わかりやすい道だし、夫も迷わないだろう。   ひとりで行ってもらうことにした。  けれども、だんだ...
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もしあのとき、私が握っていたのが、傘じゃなかったら

もしあのとき私が握っていたのが   傘じゃなかったら   なにひとつ、思うようにならない。  デイサービスに行った夫が、途中で帰ってくる。  家事をしている最中に、夫が出て行く。  ひと息ついた途端、夫が出て行く。  ぜんぶ後回しにして、夫に付き添う。   なにひとつ、思うようにできない。  それで...
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思いやりの位置

ふたりで歩くとき  いつも 夫が車道側にいてくれた  ふたりとも話に夢中になって  いつのまにか  私が外側を歩いていたときは  「こっちだろ」と夫が  私を内側にひっぱった  夫が危険予知できなくなってからも  ふたりの歩く位置は かわらず  もし 私が危険を察知したとき  私が外側だと  夫を押...